買い物に行って
目当てのもの以外を買って帰るみたいな。
別のブランドを見に行った展示会で
出会った衝撃的なこちらのニット。
カシミヤ x シェットランド。
それだけで心躍りますが
..."Boiled Cashmere"...
聞き慣れない言葉に衝撃を受けました。
Slopeslow
長年ニットウェアの製造に携わってきた
その道のスペシャリスト。
デザイナーの方には
お客様としてご来店いただいていたので
存じ上げていたのですが、
逆の立場で商品を拝見するのは今回が初めて。
展示会でいただいた小冊子には各モデルごとに
商品開発の過程などの説明とともに、
これでもかと ニットへの愛情、情熱が込められていて。
読んでいるだけでワクワクが止まらない心おどる内容。
そのこだわりと手間の掛け方に圧倒されました。
オーダーさせていただいたのは
たった一型ですが、これが本当にすごいニットなんですよ。
(Cashmere 55% , Shetland Wool 45%)
Col : BLK x Brwn , Size : S , M
¥130,000 + Tax (¥143,000 tax included)
モデル名からもその通りですが、
服好きの方ならわかるこのニットのモチーフ。
店頭には合わせてオリジナルのホッファーもありまして
60s Vintage "Hofer" Boiled Wool Tyrolean jacket
Made in Austria , Size : approx L - XL , Col : Blue
¥30,000 (¥33,000 tax included)
これはこれでがっしり質実剛健。
ヴィンテージらしい風合いの良さがある魅力的な逸品。
あまり大きいサイズのないヴィンテージのホッファーですが
こちらは珍しく大きめサイズ。
タグデザインも古くおそらく60年台くらい??
ボタンはさらに古く 1912 & 1913 年の
オーストリアの2コロナ(クローネ)銀貨が使われていて、
2カ所欠品していますが同銀貨が計6枚。
ボタンだけでもいい値段しますね。笑
と好条件な逸品でこれはこれでとてもオススメなんですが、
比べるとわかる段違いな柔らかさと軽さ。
軽く、柔らかいと書くと
編み目が緩い、やわなニットに
思われちゃいそうですがこちらは違います。
ギュンギュンに目の詰まった縮絨ニット。
過去にコーギーのカシミヤを縮ませたくて
乾燥機に入れた事があるんですが
全く縮まなかった経験のある私 w
カシミヤの縮絨加工ってどうなってるの?って
思ったんですが、先ほどの小冊子にその様子が
やはり骨の折れる作業な様でして。
展示会でも伺っていたましたが何時間もかけて
自分たちで洗濯機で縮絨加工をするというとんでもない作業。
洗濯機でセーターを縮ませてしまった経験のある人なら
わかると思いますが、普通縮むと固くゴワゴワになるもの。
ですがこちらはカシミヤの柔らかさと軽さはそのままに
ギュンギュンに目を詰まらせた縮絨ニット。
縮絨の質実剛健さも併せ持ちつつ軽く肌触りも柔らか。
という今までのニットにない矛盾を併せ持った逸品。
こんなの間違いなくニットのスペシャリスト、
Slopeslow でしか作れないです。
しかもこだわりはこれだけにとどまらず
ボタンはオリジナルで、しかもこれまた
一個づつ手作業でエイジング加工を施すという離れ業。
ここまでくるともう笑うしかないですね。すごいです。
いい意味でこんな狂ったニット、後にも先にもないと思います。笑
さらにとても共感したのが
"完コピしたいわけではない"
この一文に尽きると思います。
その結果のオリジナル超え。
素晴らしいクリエイションですし、
まさにプロフェッショナルですね。
サイズ、シルエットも
オリジナルのそれを狙ったわけではなく
着やすくslopeslowらしい素晴らしい仕上がり。
171cm / 65kg
サイズ感は私でジャストで S 、
インナーにGジャンを着るとかなら M
どちらのサイズも着られるので
着方でサイズを選ぶかなと言った感じです。
スタイリングはデザイナーさんのスタイルに寄せて
太めな軍パンに合わせて
これがとても相性の良い組み合わせ。
きっとご自身で着たいものをつくられたんだろうなと。w
そんなところもとてもピュアで
誠実なクリエーションに感じました。
大量生産品にはない
デザイナーさんのパーソナルな部分も感じる
とても魅力的な逸品。
こだわりは詰まっているけど
押し付けたり、これみよがしな感じもなく。
サラッと仕上げられているのも
とても好感がもてます。
最後に洗濯機が壊れず
納品に漕ぎ着けていただけた事に感謝するとともに
その労力を考えると
来年も作っていただけるのか??
不安に思う部分もありますので
気になる方はこの機会にぜひ。
AMEMIYA